弌矢コード

挿絵に負けたくないです。

青空駐車場

「言い残すことはないか」

「あるわ」

「言えよ」

「うん、冥土の土産に教えてあげる」

「死ぬのはおまえだよ?」

「だってあんたも死ぬでしょいつか」

 「あげる、ってなんだ? 上から目線だな」

「じゃあ、教える」

「じゃあ、は余計だ」

「早く撃ちなさいよ」 

 「トリガーに指はあるさ」

 「簡単ね」

「人間なんて、ららら、記号だからな」

「いい歌ね、何も語ってなくて」

「それでも気に入ってるんだ」

「撃ちなさいよ」

「早く逝きたいんだな、エロい」

「殺す間際まで痛客をつらぬくのね」

 「やりたかったんだ」

「記号と?」

「おまえは人間でなく、女だ」

「人間と女は違くて?」

「当たり前だ」

「人類愛と性愛の区分け、とでも?」

「もうやめろ、おれのリボルバーが暴発する」

 「終えた後は?」

「ヤクでもやるさ」

 「ヤクやって、またやるのね」

「どのみち最後もヤクで解決さ」

「逝ってぐったりの後も花はきれい?」

「直視できないな」

「女にとってはきれいだわ」

「ぐったりうんざりでしかたないだろ」

「コーヒー飲みたいシャキっとしたい」

「いいだろう、豆はどうする」

 「こちらの質問によるわ」

「トランプゲームの革命かよ」

「ねえ、あたしと屍姦してみない?」

「温もりにタイムリミットが」

「男は焦るからモテないの」

「コーヒーだろ、落ち着こうじゃないか、豆は」

「酸味ね」

 「ケニアか・・・・・・」

 「飲んでる最中にやって」

「ほんとうか? いいんだな」

「ごくり、じゅるり」

「BANG!BANG!BANG!」 

「駐車場の上を、最後の空、浮かぶ」