弌矢コード

挿絵に負けたくないです。

カイエ

つぶやき

いま、数百枚くらいのものを書いているのですが、描写が全く書けず筆が進む様子を見せません。千手観音だったらなあ・・・・・・ と空想してみて自分で苦笑してみたところで、 唐突ですが、何かを懸命に作ったのに批判されたとき、 「だったら、あんたが作ってみろ…

フライヤー

前略夏フェスの季節でもありますね。踊り狂う人々盆踊りの如し、はつらつと綺羅びやかで頼もしい限りです。などと申し上げては誹りを受けかねるので付け加えるに、盆踊りもぼくは大好きです。参加せずに傍観するが好みです。なぜ盆踊りはくるくる廻るかご存…

内面青少年

──空腹も満たされてしまった事だから退屈で死ぬか殺すかしたくなって来るのだ。 東京芸術大学の食堂での友人によるその呟きに同感だと答えたが、あの時の彼は、或いはぼくを殺したかったのだろうか。 差し当たり休暇のいまは夏、東京は生活に埋め尽くされて…

organisms

真夏の休日に汗して二〇時間眠るとは何事だ。ひとりごちて昼間の部屋の空を蹴る。起き抜けにもう一度イージーな酔いを決め込んでも構わぬほどだと身をもたげ、四時間を過ごすため暗幕で部屋を閉じて黒い窓辺に座り込んだ。 机の上の物珍しさを見やる。私が昼…

ゆく果てを抱き続けて

薄ら日照り込む成田空港のサクララウンジ、夏の旅行客たちのざわめきのなか、海のなかが素敵でキラキラと美しい酷く不味そうな魚の群れがフィンに寄ってくるのよ、と初対面の峰子が一辺倒に話し続けている。遠くで旅行客のゆがんだ笑い声がどっと上がった。…

コルトレーンの亡霊

都会にもかかわらず幾千とも知れぬ蝉の鳴き声による冷笑へ向けて熱を発し、若やかな女の横でA Love SupremeのA面を聴きながらコルトレーンとともに至上の愛を十九回唱える。老いた私が、あたかも十九回目での君との結びをカバラーすなわち了承する様にして。…

MOMO

湾岸地帯の巨大な弓なり公園で猟銃を持ったまま命を受けた私が、撃ったらいけないのねと叫んだ。殺意と浮気くらいしか知らない私の足元にある濡れたクローバーの浅い茂みの大樹木の根本に、相手がレインコートを敷いて横たわっている。相手との初めて会って…

雪の太陽に、LADYDAYと

うららかな午後に私はいる。膝掛けを乗せて月を待ち望む私の女王様は、横浜に生まれ落ちた男による千葉への誹りを受けている。千葉だっていい。耐えかねている女王様はそう言おうとしてやめた。 真夏の陽の射し広がる北海、スヘフェニンゲンのビーチにふたり…

リリカルなる狂乱

夜のはじまりだった。双子の兄が終戦記念日のまえに電波塔にぶら下がっていた。限りない光が流れている夜景に面をむけて空中に浮かんでいた。血で黒ずんで染まった紫色のシャツを着させられていた。とにかく水々しい去り顔だった。 カラースライドを必ず持ち…

JapAround

幼い頃のアルチュール・ランボオの髪型にしてくれと、ギャングスタの僕が写真をスワイプして美容室で注文をつけたら、「見つかった/何が?/永遠が/海に溶け込む太陽が」と美容師が得意げに返してきたのだが、お洒落でゴダールでも観たに違いない。こっちは…

助走

僕のparkourは発散というより、踏みにじる、と表したほうがよい。traceurの僕は、内包されたものを踏みにじり破壊もしくは破り捨てるのだ。1990年に小学生の僕は九龍の城壁へ向けて、写真家だった父親と成田を飛んだ。ちょうど十歳だった。到着早々、父親は…

由無いシェルター

イースの地下神殿のICが微かに聴こえている。ふたりは三階の遮光されたシェルターにいる。エアコンの温度を下げてくれと兄がいったので、妹はリモコンのボタンを押した。大小のモニタのレトロ感漂う映像の数々に囲われて、ふたりはいる。命令した母親にとっ…

A

北に住むAはバズという言葉に反感がある。Aは朝からバッズを焚きまくって、粒子状のベールを幾重もかけていく。HARDCOREな音楽と紫のけむり漂う部屋に出現したのは、長いお別れ。 Aはかけがえのない友人を失くした。エンドルフィンのオーバードーズによるも…